退職代行の非弁行為とは?注意すべきサービスの選び方も解説

退職代行の基礎知識
この記事は約6分で読めます。

「退職代行サービスが気になるけど、違法になるのでは?」

「どういったことが非弁行為(違法)になるんだろう?」

「トラブルなく退職できるサービスを選びたい」

本記事は、こういった疑問や不安に答える記事です。

この記事を読めば、下記のことが理解できるようになります。

・退職代行における非弁行為(違法行為)について

・弁護士に依頼した方が良いケース

・非弁行為(違法行為)にならない業者の選び方

退職代行における非弁行為や、業者を選ぶときのポイントをまとめてありますので、事前に読んでおくと安心です。

退職代行は非弁行為?【弁護士法違反について解説】

結論、退職代行サービスで「会社に退職の意向を伝える」だけなら基本的に問題ありません。

「非弁行為」とは、弁護士ではない人が「報酬を得る目的で」「業務として」「法律事務」を行うことです。

弁護士法の72条「非弁護士の法律事務の取り扱い禁止(非弁行為)」では、このように定められています。

第七十二条 弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。

<引用元:電子政府の総合窓口 e-Gov>

退職代行業社は、基本的に民間の企業ですから、報酬を得る目的があることや、退職代行を業務として行なっていることは間違いないでしょう。

したがって、退職代行業社の提供するサービスが「法律事務」に当たる場合は、非弁行為(違法)ということになります。

退職の意向を会社に伝えるだけなら合法

弁護士法の72条を退職代行サービスに当てはめて考えると、

弁護士資格を持たない退職代行業者が依頼主の代理として、弁護士の様に退職において会社と鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱う行為はNGです。例えば、退職代行業社が労働者の代わりに会社に対して「未払い分の残業代の請求」「有給消化の交渉」などの行為が当てはまります。

しかしながら、退職代行業社の提供するサービスは、基本的に「会社に退職の意向を伝える」ということ。

退職届を本人に代わり会社に届ける「会社に退職の意向を伝える」行為事態は、本人が決定している意思を相手方に示す「使者」であり「代理」とは違います。

従って、退職代行の「会社に退職の意向を伝える」サービスを利用したからといって、非弁行為に該当することはありません。

「非弁行為」を行なったら罰せられる?【依頼者は罰せられません】

退職代行サービスを提供した業者が、非弁行為を行うことで罰せられる可能性はあります。

第七十七条 次の各号のいずれかに該当する者は、二年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。

三 第七十二条の規定に違反した者

<引用元:電子政府の総合窓口 e-Gov>

上記のように、弁護士以外のものが非弁行為に該当した場合、「2年以下の懲役」または「300万円以下の罰金」が科せられます。

弁護士に依頼した方が良いケース【交渉や裁判が発生するとき】

「未払い分の残業代の請求」「有給消化の交渉」「損害賠償」などに対応して欲しい場合は、弁護士の提供するサービスを利用しましょう。

少し一般的な業者よりも料金は高めになりますが、退職に関する手続きから「交渉」「請求」「裁判」まで対応してもらえるので、全て任せられる安心感があります。

会社とのトラブルが心配な人は、最初から弁護士のサービスを検討してみるとスムーズに退職まで導いてもらえますよ。

交渉だけなら労働組合のサービス利用もあり

退職代行の中には、労働組合が運営している業者も存在します。

労働組合は、日本国憲法第28条及び労働組合法によって「交渉」を行う権利が認められいるので、会社と交渉を行なっても、非弁行為に該当する心配がありません。

団体交渉(だんたいこうしょう)とは、労働組合が、使用者又はその団体と労働協約の締結その他の事項に関して交渉すること。団交(だんこう)と呼ぶことも多い。日本における労働組合と会社間の交渉のうち、特に日本国憲法第28条及び労働組合法によって保障された手続きにのっとって行うものをいう。これらの手続きによらない交渉は一般に労使協議として区別される。

引用元:団体交渉 – Wikipedia

労働組合の退職代行サービスは、弁護士のサービスより料金が安く設定されていることが多いので、なるべくコストを押さえたい人は、労働組合の提供するサービスを利用するのもひとつの手です。

【非弁行為に該当しない】退職代行サービスを選ぶチェックポイント

では、具体的に退職代行サービスを選ぶ際、非弁行為(違法)とならないサービスを選ぶためのチェックポイントについて解説します。

まず基本的に、退職代行サービスは非弁行為を行わないのが大前提です。しかしながら、最近は数多くの退職代行サービスがありますので、中には悪質な業者も残念ながら存在しています。

悪い業者を利用したことでトラブルに発展し「お金を払って退職代行サービスを利用したのに、結局辞められなかった」という事態を避けるためにも、ぜひ事前に知っておきましょう。

申込前の事前相談でスタンスを測る

退職代行サービスを利用するときは、申し込み前に事前相談があります。

このとき「未払いの賃金の支払いを会社から拒否されそう」「有給を使わせてもらえないかもしれない」など、具体的な悩みについて話してみましょう。

この質問に対して、「本人が未払いの賃金の支払いを望んでいると”伝える”」「有給を消化を望んでいると”伝える”」など、「伝える」と答えたらOKです。

もし、「会社と”交渉”して解決する」と答えた場合は、非弁行為(違法行為)に該当するため、このような退職代行業者の利用は控えてください。

弁護士の提供するサービスを利用する

「交渉」や「法律相談のサービス」を求めている人や、確実にトラブルなく会社を退職したい人は、弁護士の提供するサービスを選べば間違いありません。

弁護士であれば、退職に関する様々なトラブルに対応してくれますし、法律に関する相談をしながら安心して退職まで進められるのは、かなり心強いですよね。

一般的な業者より料金は高めですが、確実に会社を辞められます。

まとめ【非弁行為について理解した上で利用すれば大丈夫】

「非弁行為」とは、弁護士ではない人が「報酬を得る目的で」「業務として」「法律事務」を行うこと。

・未払いの賃金を「請求」する

・有給消化について「交渉」する

・損害賠償に対応する

・法律相談を受ける

上記のような行為を、弁護士でないものが行えば「非弁行為(違法行為)」に該当します。

しかしながら、基本的に、退職代行業者が提供しているのは「退職の意向を会社に伝える」サービスです。このように「本人の意向を会社に伝える」だけであれば、非弁行為にはならないので、違法とは言えません。

違法にならない信頼できる業者を選ぶときは、申し込み前の相談で業社のスタンスを測ってみると良いでしょう。

もし、トラブルに発展する可能性が大きかったり、どうしても心配な場合は、弁護士のサービスを選べば間違いありません。

一口に「退職代行サービス」と言っても、それぞれ提供できるサービスの範囲が違ってきます。最適な業者を選ぶには、まず自分がどのようなサービスを受けたいのか「自分のニーズ」を知ることが大切です。

ぜひ、この記事を参考にご自分に合ったサービスを探してみてくださいね。