【人事向け】退職代行を使う社員の理由や対象法は?

退職代行の基礎知識
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人事担当者
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退職代行を使われた会社の人事です。。「退職代行を使われた会社や世間の反応を知っておこう!」の記事を見たのですが、人事目線でもう少し退職代行について知りたいです。

サイト管理人
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そうなのですね。退職代行を使う社員や従業員がどういった理由で使うのかこの記事では説明していますので、職場環境の改善などに役立ててください。

近年、退職代行を使って会社を辞める人が増えています。

サービスのことは知っていても、いざ退職代行を名乗る業者から「退職代行サービスですが、〇〇さんが退職を希望しています」と、急に連絡が来たらどう対応したら良いか迷ってしまいますよね。

そして「なぜ退職代行サービスを使われてしまったのか」気になる方も多いと思います。

そこでこの記事では、退職希望者が退職代行を使う理由、退職代行を使われた際に企業側がどのように対応したら良いかご説明します。

お金を払ってまで退職代行を使う理由

人事担当者
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とうとう退職代行を使われてしまいました。なんでわざわざお金を払って退職代行を使うんでしょう?

退職代行の相場は20,000円ほど。決して安くない金額を払ってまで、サービスを使う理由は何なのか気になる方は多いと思います。

答えはひとつではなく人それぞれではありますが、大きく3つの理由があります。

  • 上司が怖くて退職を切り出せない
  • 引き止められたくない
  • 精神的に限界で切羽詰まっている
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このような理由で使う人が多いですね。それぞれ具体的に説明します。

上司が怖くて退職を切り出せない

退職代行を使う人は、ブラック企業で働いている人が多い特徴があります。

そのような企業では、パワハラが横行していることも珍しくなく「上司が怖すぎて辞めるなんて言い出せない」という人も多いのです。

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退職届を提出したのに、目の前で破り捨てられたという事例もあるようです。

人事担当者
人事担当者

そこまでされると退職代行を使いたくもありますね…。

また、辞めることに強く罪悪感を持っていることで言い出せないことも。いずれの場合も、日頃から良好なコミュニケーションが取れていなかったことが原因ではないでしょうか。

引き止められたくない

退職強い引き止めに合うのを想定し、それを回避するためにサービスを使う人もいます。

「人員不足で、引き止められるのが目に見えている」

「これまでも多くの人が引き止められるのを見てきた」

「引き止められてずるずる退職を伸ばされたくない」

例えば、こんな理由からですね。

また、退職を申し出たことがあるものの、引き止められて退職代行サービスに申し込むケースも珍しくありません

サイト管理人
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法律上、退職者には退職の自由が認められているので、拒否することはできないんですけどね。

精神的に限界で切羽詰まっている

うつ病など心身ともに疲弊してしまって、退職手続きを自分でできない人が退職代行を使うこともあります。

パワハラやセクハラ、長時間労働、過剰なノルマなどが原因で精神的に追い詰められてしまったケースです。

サイト管理人
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このような理由で退職代行を使われてしまった会社は、はっきり言ってブラック企業の可能性が高いですね。

人事担当者
人事担当者

ここまで従業員を追い詰めてしまう会社は、完全にブラックだなぁ。

また、たまに家族のケガや病気を理由に退職代行サービスを使う人もいますが、通常はこのような理由をきちんと伝えて退職、もしくは休職となることがほとんどです。

緊急の事情であっても、「会社に受け入れてもらえないだろう」と判断し、お金を払って退職代行サービスを使うということ。

どのような理由の場合も、退職代行サービスを使われたのなら、企業の体質に何かしら問題がある可能性が高いでしょう。

そもそも退職代行ってどんなサービス?

退職代行は90年代にスタートしたサービス。2018年にNHKで取り上げられたことで認知されるようになりました。

サイト管理人
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その後、退職代行サービスの社長が某人気リアリティショーに出演するなど、年々知名度が上がっています。

言葉は知っている人は多いものの、まだ新しいサービスなので具体的な内容は分からないという人もいるでしょう。

退職代行の基本的なサービス内容は、退職を希望している従業員の代わりに退職を申し出ること。退職に関する手続きを全て代行してくれます。

人事担当者
人事担当者

 本人とは直接やりとりできないのですか?

サイト管理人
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退職代行サービスを使われたら、全てのやりとりを業者の人と行うことになります。

人事担当者
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そうなんですね…。

退職代行のサービス内容

退職代行のサービス内容は、先ほどもお伝えしたとおり「退職を希望している従業員の代わりに退職を申し出る」ということ。

その他の内容は、業者によって異なります。今回は、分かりやすいように男の退職代行を例に挙げてご説明しますね。

男の退職代行の特徴はこちら。

サービス名男の退職代行
運営会社退職代行ネクストユニオン(退職代行toNEXTユニオン)
交渉が可能か労働組合のため団体交渉が可能
退職費用正社員など:26,800円  パート・アルバイト:19,800円
連絡手段LINEまたはメール
対応可能な時間24時間対応 ※有人対応は平日土日営業時間内
支払い方法銀行振込 クレジットカード コンビニ決済 ペイパル 楽天ペイ キャリア決済
退職失敗時の返金全額
その他の特徴転職サポート付き(最大5万円のお祝い金を受け取るチャンスが)
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退職代行の中には、男の退職代行のように転職サポートのほか、引越しや有給消化など、退職手続き以外のサービスを提供しているところもあるんですよ。

人事担当者
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思っていた以上に、サービスが充実しているんだ。

料金体系や対応できる業務の範囲もことなるので、利用者は目的に合わせてサービスを選ぶことになります。

退職代行は違法じゃないの?

人事担当者
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退職代行は法律違反にはならないのですか?

サイト管理人
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退職代行が行っていることは、あくまで依頼者の「使者」に過ぎません。

つまり、本人に代わって「退職します」と伝えるだけ。法律違反とはならないですね。

ただし有給消化や退職日調整など、何らかの「交渉」を伴うのなら話は別です。

交渉が許されているのは、弁護士か労働組合のサービスのみ。どちらにも当てはまらない業者が交渉してきたのなら、それは法律違反となります。

退職代行サービスの流れ・フロー

退職代行サービスの流れは、基本的に以下のとおりです。

step1.申し込み・無料相談を受ける

   ↓

step2.振り込みをする 

   ↓

step3.退職代行スタート

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退職代行は、「即日退職」に対応しているところも多いんですよ。

人事担当者
人事担当者

えっ、即日ですか?会社の規定では1ヶ月前に申し出ることになっているのですが…。

会社の規定では、「◯ヶ月前」と決められていたとしても、法律の方が優先されます。

法律上は、退職する2週間前までに申し出れば「いつでも辞められる」ことになっています。

退職代行の申し出は拒否できる?

退職代行を使われてしまった場合、「急な退職を認める訳にはいかない」「拒否したい」と思ってしまうもの。

しかし、従業員が「辞めたい」と申し出た場合、原則拒否することはできません。

サイト管理人
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日本では、働く人は「退職の自由」が認められているのです。

日本国憲法 第22条 何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。

引用:電子政府の総合窓口 e-Gov

ただし、雇用形態によっては拒否できる場合もあります。

正社員の場合は基本的に拒否できない【無期雇用】

正社員など期間の定めのない雇用(無期雇用)で働いている人は、基本的に「退職する2週間前までに申し出ればOK」ということになっています。

(期間の定めのない雇用の解約の申入れ)

民法 第627条 当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。

引用:電子政府の総合窓口 e-Gov

正社員の他に無期雇用契約の派遣社員なども、無期雇用の契約ということになります。

アルバイトや契約社員は拒否できる可能性も【有期雇用】

一方で、アルバイトやパート、契約社員、契約期間が決まっている派遣社員のような有期雇用で働く人の場合は、基本的に契約の解約はできないことになっています。

(契約期間中の解雇等)

労働契約法 第17条 使用者は、期間の定めのある労働契約(以下この章において「有期労働契約」という。)について、やむを得ない事由がある場合でなければ、その契約期間が満了するまでの間において、労働者を解雇することができない。

引用:電子政府の総合窓口 e-Gov

ただし、労働契約法にもあるとおり「やむを得ない事由」がある場合は、退職を認めなけれななりません

やむを得ない理由とは、

  • 病気やケガが原因で働けなくなった
  • 労働条件に相違があった
  • 家族の介護が必要になった
  • パワハラやセクハラ

このような理由があれば、契約期間中も退職可能です。

また有期雇用の場合も、勤務から1年以上経過している場合は、正社員など無期雇用と同じように「いつでも退職可能」となります。

労働基準法137条 期間の定めのある労働契約(一定の事業の完了に必要な期間を定めるものを除き、その期間が一年を超えるものに限る。)を締結した労働者(第十四条第一項各号に規定する労働者を除く。)は、労働基準法の一部を改正する法律(平成十五年法律第百四号)附則第三条に規定する措置が講じられるまでの間、民法第六百二十八条の規定にかかわらず、当該労働契約の期間の初日から一年を経過した日以後においては、その使用者に申し出ることにより、いつでも退職することができる。

(引用元:電子政府の総合窓口 e-Gov)

つまり、やむを得ない理由がある場合や、勤務開始から1年以上の有期雇用の従業員は、正社員と同じ条件になります。

人事担当者
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こんなに条件が絞られるんだ。引き止めはあきらめた方が良さそうですね。

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退職代行を使われたら、基本的に従うしかないと考えておいた方が良いでしょう。

退職代行を使われた会社側の対応方法

退職代行を使われた時、どのように対応したら良いのでしょう?このようなことは始めてで、正直分からないことだらけです。

サイト管理人
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そうですよね。具体的に説明するので、流れに沿って対応してみてください。

まずは退職代行業者の身元を確認する

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退職代行から連絡が来たら、まず最初に代行業者の身元確認をしましょう。

人事担当者
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なぜ、身元確認が必要なんだろう…?

なぜなら、退職代行業者を装った詐欺や嫌がらせの可能性も否定できないからです。退職の手続きが終わってから、「実は第三者によるいたずらだった」としたら大問題になってしまいますよね。

このような事態を避けるために、その退職代行サービスの公式サイトをチェックするなどして、実在するか確認しましょう。

退職届を提出してもらう

本当に従業員本人が辞めたがっているのか」きちんと裏付けをとることも非常に重要なポイントです。

退職代行サービスでは、本人と直接連絡を取ることを禁じられていますが、本人に連絡を入れてみても良いでしょう。

本人が退職代行に依頼したのであれば、連絡が取れない可能性は高いですが、そうでなければ本人から返信があるはずです。

そして、必ず本人作成の退職届を提出してもらうようにしてください。退職届は、本人直筆がベストです。

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せめて署名だけでも、本人の直筆で書いてもらうと良いですよ。

退職届を提出してもらったら、後は通常通りの手続きでOK

退職届を提出してもらったら、通常の退職届と同じように処理すれば大丈夫です。

無断欠勤をしたことにより、会社に大きな損失を出してしまったとしたら「解雇」や「懲戒解雇」になる可能性もありますが、そこまで大きな問題になるケースは稀でしょう。

退職日まで出勤することはあるんでしょうか?

サイト管理人
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退職代行を使った場合、出勤しないケースがほとんどです。有給消化や有給がない場合は欠勤扱いになりますね。

失業保険の給付に必要な離職票なども、希望がなくても郵送しておきましょう。

退職代行を使う人のリアルな声

ここでは、退職代行を使った人たちのリアルな声をお伝えします。

  • 退職代行を使う人のリアルな声【退職代行を使う理由】
  • 退職代行を使った感想【退職代行を使った感想】

上記の内容で、それぞれご紹介しますね。

退職代行を使う人のリアルな声【退職代行を使う理由】

まずは、退職代行を使う理由についての口コミです。

サイト管理人
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退職代行を使った理由については、やはり「上司が怖くて言えない」「引き止められたくない」という声が多かったです。

退職代行を使った感想【退職代行を使った感想】

次に退職代行を使って辞めた人の感想をご紹介します。

実際に退職代行を使って会社を辞めた人は、どのような感想を持ったのでしょうか。

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退職代行を使った人の投稿を見てみると、「使って良かった」「退職できて嬉しい」という声が目立ちました。

職場で相当なストレスを抱えていたんですね…。

また、退職代行を使われた企業に対して次のような意見もありました。

たしかに退職代行を使われたということは、会社側に何かしらの問題があることが多い気がします。

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簡単に辞められるなら、自分で伝えていますからね。

退職代行を使われないために出来ること

退職代行を使われたとしたら、会社側に何らかの問題あると考えておいた方が良いでしょう。

直接本人が退職を申し出ることができなかったのは、残念ながら信頼関係が構築されていなかったということ。

日頃から上手くコミュニケーションが取れている職場であれば、わざわざ数万円払って退職代行を使おうとは考えなかったはずです。

特にどんどん従業員が辞めるような職場はブラック企業なのかもしれません。

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年中人手不足に陥っているのなら、労働環境の改善は必須事項です。

人事担当者
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居心地の良い環境なら、こうはなりませんよね。

退職代行を使う理由は人それぞれ【なぜ使われたのか考えることも大切】

退職代行を使う理由は様々ですが、

  • 上司が怖くて退職を切り出せない
  • 引き止められたくない
  • 精神的に限界で切羽詰まっている

このような理由で辞める人が多いようです。

退職代行サービスを使われたということは、従業員にとって働きやすい環境ではなかった、上手くコミュニケーションが取れていなかったことが考えれます。

今後、同じようなことが起きないよう、この経験を活かし労働環境を見直してみてはいかがでしょうか?