「フリーランスだけど退職代行で辞められるのだろうか?」
「契約期間中に退職代行で業務を辞めたい」
「円満に辞める方法があったら知りたい」
フリーランスで働いている中で、契約期間中だけど辞めたくなることもありますよね。
契約期間中に辞めたい理由には、
- クライアントとの相性が悪く辞めたい
- 案件の内容や条件での認識のずれていて辞めたい
- 他社に魅力的な案件があり辞めたい
といったことがあると思います。
この記事では、フリーランスが契約期間中に辞めることはできるのか、辞める際の注意点や円満に辞めるコツをご紹介します。
フリーランスの定義とは?
フリーランスとは、特定の企業や団体に所属せず自分ひとりで業務を請け負う働き方のことです。
フリーランスは企業に雇用されていないので、案件ごとに様々なクライアントと契約を結びます。
フリーランスは「働き方」個人事業主は「税務上の区分」
20代女性
会社を辞めてフリーになったばかりですが、個人事業主とフリーランスの違いがわからないです。
フリーランスは働き方を意味しますが、個人事業主は、税務署に「開業届」を提出した「継続して事業を行う個人」を意味します。
開業届を提出した個人事業主は、青色申告の利用が可能となります。青色申告は一定の控除が適用される申告方法で、白色申告よりも節税面で多くのメリットがあります。
簡単に説明すると、フリーランスは「働き方」で、個人事業主は「税務上の区分」という意味ですね。
20代女性
なるほど…!
税務署に開業届を提出しているフリーランスは、税務上の所得区分は「個人事業主」となります。
具体的なフリーランスの職種は以下の通りです。
【フリーランスの職種の例】
- プログラマー
- イラストレーター
- カメラマン
- ブロガー
- ライター
- ユーチューバー
- ヨガインストラクターなど
20代女性
フリーランスといっても業種は本当に様々なんですね!
フリーランスと業務委託の違いは?
フリーランスは先ほどもお伝えしたとおり企業などに属さない個人が業務を請け負う「働き方」を意味します。
一方の業務委託は、企業などと仕事の内容ごとに契約を結んで業務を行うこと、つまり「契約方法」を指します。
特定の企業や団体に所属することなく働くフリーランスの場合、企業や個人と契約書を結んで業務を行うことがほとんどです。
「フリーランス」と「個人事業主」「業務委託」の違いをまとめると以下のようになります。
・フリーランス=企業などに属さない個人が業務を請け負う「働き方」
・個人事業主=税務署に開業届を提出している個人。「税務上の区分」
・業務委託=企業などと仕事の内容ごとに契約を結んで業務を行う「契約方法」
業務委託には請負契約と委任(準委任)契約がある
フリーランスは企業などと業務委託契約を結んで業務を行うことが多いですが、業務委託には「請負契約」と「委任(準委任)」の2種類にわかれます。
簡単に説明すると、「請負契約」と「委任(準委任)」の違いは次のとおりです。
・請負契約=納品物が報酬となる
・委任(準委任)=労働時間が報酬となる
請負契約について
「請負契約」は、発注された納品物を完成させ、その対価として報酬を得る契約です。
民法では、請負契約について以下のように定義しています。
(請負)第632条
請負は、当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対してその報酬を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。
(引用元:民法 | e-Gov法令検索)
クライアントから求められる納品物は、職種によってさまざまですが、期日までに納品物をクライアントに納品することが求められます。
委任(準委任)契約の場合は、労働時間が報酬となりますが、請負契約の場合は「成果物」が報酬の対価です。
成果物を完成させるまでは仕事を辞めづらいため、責任は委任(準委任)契約よりも請負契約の方が重くなります。
請負契約の具体例
請負契約では、成果物を完成させることで報酬を得られる契約方法です。
具体例は以下のとおり。
- ITシステム構築
- ソフトウェア開発
- デザイン制作
- ホームページ制作
- WEBコンテンツ作成
- 建設工事 など
フリーランスとしてイメージする時、請負契約の仕事をイメージされる方も多いかもしれません。
委任(準委任)契約について
民法では、委任契約について次のように定義されています。
(委任)第643条
委任は、当事者の一方が法律行為をすることを相手方に委託し、相手方がこれを承諾することによって、その効力を生ずる。
(引用元:民法 | e-Gov法令検索)
委任契約は、特定の業務を遂行することを目的とした契約です。委任契約の場合は、定められた期間中、業務に従事しさえすれば報酬を得ることが可能で、何らかの成果物の提出を求められることはありません。
委任契約は、法律上「委任契約」と「準委任契約」にわけられます。
準委任契約について、法律では次のように定められています。
(準委任)第656条
この節の規定は、法律行為でない事務の委託について準用する。
(引用元:民法 | e-Gov法令検索)
委任契約と準委任契約の違いは、
- 委任契約 → 法律行為を委託する契約
- 準委任契約 → 事務処理の委託をする契約
上記のとおりです。
「委任契約」の具体例
委任契約は、法律行為を委託する契約のことを指します。
具体的な例を挙げると次のとおり。
・弁護士に訴訟代理を依頼する
・不動産業者に土地を売却するよう依頼する など
「準委任契約」の具体例
準委任契約は、法律行為以外の事務処理の委託をする契約のこと。
具体例は次のとおりです。
・システム開発契約 ・ヘルプデスク契約 ・コンサルティング契約 ・不動産鑑定業務 ・マッサージ、エステ契約 ・ヨガ講師契約 など
法律行為をすることは稀です。
つまり、ほとんどのフリーランスが業務委託という総称の中の請負契約、もしくは準委任契約を結んでいるということになります。
20代女性
私は、エージェントを通して企業とシステム開発の契約をしているから、準委任契約になるんだな。
「請負契約」と「委任契約(準委任契約)」の違いまとめ
業務委託の「請負契約」「委任契約」「準委任契約」についてまとめると、以下のようになります。
請負契約 | 委任契約 | 準委任契約 | |
目的 | 成果物の完成 | ・法律行為の委託 ・仕事(業務)の実行 | ・法律行為ではない事務の委託 ・仕事(業務)の実行 |
報酬を請求する権利 | 成果物(仕事の完成)がなければ、請求できない | 契約上の仕事が実行されれば、請求できる | 契約上の仕事が実行されれば、請求できる |
委任契約(準契約)の場合は、依頼された時間業務を行えば報酬が発生します。
例えば、セミナー講師を依頼し、セミナーの内容の評判が悪くても契約違反とはなりません。
一方の請負契約の場合は、成果物の完成が目的となっているため、成果物を提出しなければ報酬を請求できないことになります。
例えば、ソフトウェアの開発を依頼されたのなら、きちんとソフトウェアを完成させなければ契約違反となってしまいます。
おすすめの辞め方は期日満了
フリーランスが契約期間中に仕事を辞めたい場合は、契約書とおり期日満了で辞めるのがベストです。期日とおりに辞めて契約を更新しなければ、なんの問題もありません。
どうしても契約を途中で辞めなければいけない理由がなければ、請負契約の場合は成果物を完成させて納品まで終わればOKです。
フリーランスの仕事の辞め方
仕事を辞めるときは、揉めることなく円満に辞めたいものですよね。
ここでは、フリーランスが業務委託の仕事をスムーズに辞める方法を解説します。
契約満了後、更新しない
先ほどもお伝えしたとおり、最もおすすめの辞め方は委任契約(準委任契約)の場合「期日満了」で辞める方法です。請負契約の場合は、成果物の納品で「満了」となります。
そして契約の継続を求められたとしても、契約を受ける側にも断る権利があります。辞めたい場合は、契約の更新を丁重にお断りしましょう。
やむを得ない場合、途中解約も可能
どうしても契約の途中で辞めたい場合は、契約途中であっても解約は可能です。間にエージェントが入っている場合は、辞めたいことを相談してみると適切に対応してもらます。
個人で契約を結んでいる場合は、クライアントに相談してみてください。条件などを提示されることも考えられますが、絶対に辞められないということは基本的にないでしょう。
ただし、契約期間中に辞める場合には、いくつか気をつけておきたいポイントがあるので次の項目で説明しますね。
フリーランスが契約期間中に終了する際の対応方法
フリーランスが契約期間中に辞める時の対応方法をご紹介します。
トラブルなく円満に辞めたい方は、チェックしておいてください。
あらかじめ解約条件をチェックする
辞める前に、必ず契約書は確認しておきましょう。契約書の中に、辞める際の条件についても書かれていることがあります。
途中で辞める場合の条件や、対応について書かれている場合は、契約内容に従って終了しましょう。
請負契約と委任契約で違いがある
契約の途中で辞める場合、「請負契約」と「委任契約(準委任契約)」で違いがあります。
委任契約の場合は、いつでも契約を解除することができます。
(委任の解除)
第651条 委任は、各当事者がいつでもその解除をすることができる。
2 前項の規定により委任の解除をした者は、次に掲げる場合には、相手方の損害を賠償しなければならない。ただし、やむを得ない事由があったときは、この限りでない。
(一) 相手方に不利な時期に委任を解除したとき。
(二) 委任者が受任者の利益(専ら報酬を得ることによるものを除く。)をも目的とする委任を解除したとき。
(引用元:民法 | e-Gov法令検索)
こちらは依頼者と受任者、どちらも自由に契約が解除できるという意味です。
ただし両者は自由に契約を解除できますが、「相手方に不利な時期に」契約を解除したい場合は、「やむを得ない事由」がなければ損害賠償を支払わなければなりません。
一方の「請負契約」は、何度かお伝えしているとおり「成果物の完成」が求められます。辞める場合は、成果物を完成させてから辞めるようにしましょう。
請負契約で成果物が完成されない場合は、報酬が支払われない可能性があるので要注意です。
1ヶ月前までに連絡する
通常の退職の時と同じように、基本的には辞める1ヶ月以上前までに企業やクライアントに辞めることを伝えるようにしましょう。
引継ぎの必要があれば、しっかり引継ぎ作業をして契約を終了させてください。
契約の途中で辞める時、伴うリスク
契約の途中で辞める場合、いくつかのリスクが考えられます。
どのようなリスクが想定されるのか知った上で、契約の途中で辞めるか継続するか判断してください。
クライアントからの信頼を損なう危険性が
請負契約にしろ、委任(準委任)契約にしろ、契約の途中で仕事を辞めてしまう場合はクライアントとの信頼関係を損なう危険性があります。
「再契約を…」と思っても、信頼が損なわれた場合は、今後一切仕事を与えてもらえない可能性は高いでしょう。
本当に今辞めなければならないのか、契約の見直しなど何らかの方法で途中解除を回避できないか、検討してみることも大切です。
報酬が支払われない可能性あり
請負契約の場合、成果物の完成が求められるので、完成できずに途中で辞める場合は、報酬が支払われない可能性があります。
委任(準委任)契約の場合は、成果物の完成は求められませんが、契約の途中で辞めてしまうと報酬の不払いも充分に考えられます。
請負契約、委任(準委任)契約いずれの場合も、契約の途中解除は慎重に行うようにしましょう。
違約金や損害賠償のリスクも
請負契約の場合は、成果物の提出をもって契約が完了するので、契約の途中契約は契約不履行となり、損害賠償を求められる可能性もゼロではありません。
委任契約の場合は、依頼者と受任者どちらも自由に契約を解除できますが、やむを得ない事由がない状態で「相手方に不利な時期に」契約を解除してしまうと、損害賠償の支払いが認められる場合があります。
20代女性
フリーランスにとって契約の途中解除は、様々なリスクがあるんですね。
そうなのです。簡単には契約解除せず、契約前にしっかり業務を遂行できるか確認してから契約することが大切ですね。
退職代行サービスの利用も最終手段としてアリ
業務委託契約で働いている場合も、退職代行サービスを利用して辞めることは可能です。
ただし、サービスによっては業務委託の退職代行を受け付けていないところもありますし、「請負契約」「委任(準委任契約)」の種類や働いている条件によっては、受付けてもらないことも考えられます。
退職代行サービスの利用を考えている場合は、業務委託契約でも退職代行サービスを利用できるのか、申し込み前に確認しておきましょう。
相談は無料で行っていることが多いので、気軽に問い合わせできますよ。
新しい契約先を探しフリーランスとして活躍したいという方には、フリーランススタイル「フリスタ」がおすすめ。
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まとめ
フリーランスも退職代行サービスで辞めることは可能です。
フリーランスは、企業などと仕事の内容ごとに契約を結んで業務を行う「業務委託」で働いている人がほとんどです。
業務委託といっても「請負契約」と「委任(準委任)契約」どちらの種類なのか、どのような条件で払いているのかによってサービスを利用できない可能性もあります。
退職代行で仕事を辞められるかどうかは、業者ごとに異なるので気になる退職代行サービスがあれば、無料相談を受けてみてください。